┃☆┃JalanJalan director ヒロアサクラ’S 旅エッセー(19) ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
デンパサール往復とも韓国・仁川(インチョン)経由なので乗客の8割は韓国系の方でしたね。
韓国人CAさんが機内で飲み物を配り始め「なんちゃらスムニカー?」な感じで聞かれました。
韓国語はわからないので「sorry?」というと向こうも「oh! I'm sorry」と。英語で「Would you like something to drink?」と聞きなおしてくれました。
ビールは何種類か見せてくれたのですが、久しぶりにバドワイザーが飲みたくなったので頼んでみました。
缶のデザインもいつの間にか変わったんですね。
聞きなれない外国の言葉、そしてこのバドワイザーを見たら、昔会社勤めだったころの役員さんを思い出しました。20年以上前の思い出です。
Sさんは英語がまったくダメなのにアメリカの子会社まで掌握していた役員本部長さんでした。
アメリカ出張中にレストランに連れていってもらう機会があり一緒にタクシーに乗りました。
「ヘイ、ドライバー! ネクスト ひだり!」
観光地でないシカゴ郊外の黒人タクシードライバーが<左>なんて日本語を知っているわけがありません。「パードン?」と。
一応、偉い人とフツーの社員ですからね。
腹の底からこみあげてくる笑いをこらえるのが必死でしたよ。
で、レストランで。
自分は手を洗うために席をはずしていました。
席に戻るところでウェイトレスさんとS本部長が何かしゃべってます。
英語ダメなはずなのに?と席に戻ると、
「おい、アサクラくんよ。ビールでよかったよな? いまバドワイザー頼んでおいたから!」
と。おお、S本部長、すみません。
と数分後。
男性のアメリカ人店員がやってきました。
「ゴライテーン アリガトゴザイマス オノミモノハ ナニ シマスカ?」
たどたどしい日本語で注文を取りに来ました。
自分が「え、この方がバドワイザーを頼んだはず」と英語でいうと...
アドバイザー プリーズ!
とおっしゃったようなので日本語がすこしできる自分がきたのですが?
と彼。
意訳して”通訳”が必要だと思ったらしいです。
すみません。
親父ギャグもリアルだと本当面白い!
もうね、抑えきれず死ぬほど笑わせていただきました。
それからいろいろあって、Sさんは会社をお辞めになって、自分が会社を辞め脱サラしたころ病気で亡くなられたそうです。
高度約10000mの窓の外は青い空が広がっています。
この空のどこかにいる故S本部長さんに”バドワイザー”で献杯 ( ・_・)/□
∴‥∵‥∴‥‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥‥∵‥∴‥∵‥